■ 抄録・要旨
| 本研究では、既存の廃棄物焼却施設を模擬した燃焼実験炉を用いて、臭素化難燃材であるヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)の分解や焼却処理に伴い副生成する有害化学物質の生成傾向を調査した。調査対象の副生成物質は、残留性、生物蓄積性、毒性が疑われる臭素化多環芳香族炭化水素(PAHs)とした。HBCD燃焼実験の結果、炉内温度500℃及び800℃で高純度HBCDを燃焼した場合では、HBCDの分解率はそれぞれ99.9966%、99.999983%であった。HBCD燃焼に伴う排ガス中に含まれる臭素化PAHs濃度レベル及び異性体組成は、両燃焼温度で大きな違いが観察された。臭素化PAHs濃度は500℃時に9,100μg/m3Nと高く、800℃では臭素化フェナントレンなど3環の臭素化PAHsが生成する等の特徴が確認された。
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